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四 - 9
あば)く。

    「アハハハそうそう坊主が仏様の頭を叩いては安眠の妨害になるからよしてくれって言ったっけ。しかし僕のは竹刀だが、この鈴木将軍のは手暴(てあら)だぜ。石塔と相撲をとって大小三個ばかり転がしてしまったんだから」

    「あの時の坊主の怒り方は実に烈しかった。是非元のように起せと云うから人足を傭(やと)うまで待ってくれと云ったら人足じゃいかん懺悔(ざんげ)の意を表するためにあなたが自身で起さなくては仏の意に背(そむ)くと云うんだからね」

    「その時の君の風采(ふうさい)はなかったぜ、金巾(かなきん)のしゃつに越中褌(えっちゅうふんどし)で雨上りの水溜りの中でうんうん唸(うな)って……」

    「それを君がすました顔で写生するんだから苛(ひど)い。僕はあまり腹を立てた事のない男だが、あの時ばかりは失敬だと心(しん)から思ったよ。あの時の君の言草をまだ覚えているが君は知ってるか」

    「十年前の言草なんか誰が覚えているものか、しかしあの石塔に帰泉院殿(きせんいんでん)黄鶴大居士(こうかくだいこじ)安永五年辰(たつ)正月と彫(ほ)ってあったのだけはいまだに記憶している。あの石塔は古雅に出来ていたよ。引き越す時に盗んで行きたかったくらいだ。実に美学上の原理に叶(かな)って、ゴシック趣味な石塔だった」と迷亭はまた好い加減な美学を振り廻す。
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